「クラシック路線を続ける?変える?」ジャンル選びの悩みを徹底解説!
小学校4年生のヤマハ音楽教室に通うお子さまのお話です。小学2年生からエレクトーンフェスティバルに参加されておられます。初めて挑戦した時から入賞するものの、地区予選には選ばれていません。今年はクラシック曲をアレンジして挑戦したのですが、残念な結果に。来年に向けて、今年と同じクラシック曲にするか違うジャンルにすべきか。という「エレクトーンフェスティバルでの選曲やジャンル選びの悩み」について、私なりに考えてみました。
🎹まず、選ばれなかったあなたへ
ヤマハエレクトーンフェスティバルは、単なる「うまい順」ではなく、
音楽性・表現力・構成力・アレンジ力・個性・完成度など、
さまざまな要素を総合的に見て選ばれます。
選ばれるかどうかは、必ずしも「ジャンル」だけで決まるわけではありません。 実際に地区予選やその先の大会へ進む人たちの曲を見てみると、クラシック、ポップス、ジャズ、ラテン、アニメソング、そして完全なオリジナル曲まで、本当に様々です。
つまり、「選ばれなかった=下手だった」「クラシックだからだめだった」とは限りません。
むしろ、クラシックを自分らしくアレンジして発表した勇気とセンスは、すばらしい音楽経験です。
審査員の先生方が見ているのは、ジャンルそのものではなく、「その曲を通して、エレクトーンという楽器の魅力を最大限に引き出せているか」という点です。
🎻クラシック路線の良さと難しさ
✅ クラシックを選ぶメリット
- 原曲にドラマや構造があるため、アレンジ次第でとても豊かな表現ができる
- 技術的にも音楽的にも、深い解釈力を求められるので成長につながる
- 選曲がハマれば、審査員の印象に残りやすい
⚠️ 難しいポイント
- 「どこかで聴いたことある」曲になりがちで、オリジナリティが出しにくい
- 重厚な雰囲気が、小学生のキャラクターに合わないと評価が下がる場合も
- エレクトーン特有の「リズムの派手さ」「サウンドの多彩さ」を出しにくい傾向
🎵審査員からはよく「クラシック系の演奏で技術はすごいけど、表情が硬い」「年齢に合わない雰囲気」といったフィードバックが見られます。
🎷じゃあ、ポップスや他ジャンルなら有利なの?
✅ ポップス・映画音楽・ジャズなどの強み
- 明るくノリがよく、観客ウケ・聴きやすさが高い
- エレクトーンの魅力(リズム・和音・音色の切り替え)を存分に発揮できる
- 「小学生らしさ」「個性」も自然と表現しやすい
⚠️ 気をつけるべき点
- ただの「原曲再現」ではなく、自分なりの構成や工夫が必要
- 「軽く聞こえる」可能性があるので、音楽的な深みや構成力が問われる
🎯つまり、「ジャンルを変えれば有利になる」のではなく、
「そのジャンルにふさわしいアレンジ・演奏・表現ができているか」が大切です。
🎼選ばれる演奏に共通する3つのポイント
- 「編曲力(へんきょくりょく)」〜自分だけのオーケストラを作る力〜
- 物語があるか: 曲に「序奏→展開→クライマックス→エンディング」のような、聴いている人がワクワクするストーリーがありますか?
- 音色の使い方: 上鍵盤、下鍵盤、ペダル鍵盤のそれぞれに、どんな楽器の役割を与えていますか?例えば、上鍵盤でバイオリンのメロディーを奏で、下鍵盤でホルンのハーモニーを、ペダルでコントラバスの響きを…というように、自分だけのオーケストラを指揮できているかが大切です。
- エレクトーンならではの工夫: リズムや音色を途中で効果的に変えたり、スーパーアーティキュレーションボイスなどの特殊な音色を使ったりして、聴いている人を「おっ!」と思わせる工夫はありますか?
- 「演奏力(えんそうりょく)」〜正確に、そして心で弾く力〜
- テクニック: ミスタッチなく、正確なリズムで弾けていますか?指や足の動きはスムーズですか?
- 音のバランス: メロディー、伴奏、ベース、リズムの音量バランスは適切ですか?主役であるメロディーが、他の音に埋もれてしまっていませんか?
- レジストレーション: 曲の流れに合わせた音色やリズムの切り替え(レジストチェンジ)が、スムーズにできていますか?
- 「表現力(ひょうげんりょく)」〜音楽で「伝えたい!」という力〜
- 一番大切なのは「あなたが心から音楽を楽しんでいること」です。 その気持ちは、必ず音に乗って審査員や聴いている人に伝わります。
- ただ楽譜通りに弾くだけでなく、「このフレーズは悲しい感じ」「ここはキラキラした感じ」など、曲のイメージ(世界観)を持って弾けていますか?
- 少し大げさなくらいの体の動きや表情も、あなたの「伝えたい」という気持ちを後押ししてくれます。
🧭来年に向けての選択肢とアドバイス
✨①:たくさんの音楽を「探検」しよう!
エレクトーンの演奏だけでなく、オーケストラのCD、映画音楽、ジャズ、世界の民族音楽など、色々なジャンルの音楽を聴いてみましょう。「この楽器の音、カッコいいな」「このリズム、エレクトーンで使えないかな?」という発見が、あなたの編曲の引き出しを増やしてくれます。
🎤②:YEFの動画を観て「研究」しよう!
ヤマハのウェブサイトやYouTubeには、地区予選やファイナルの映像がたくさんあります。金賞を受賞した人たちが、「どんな選曲で、どんなアレンジをして、どんな表情で弾いているのか」を研究してみましょう。きっとたくさんのヒントが見つかるはずです。
🎨③:自分の「大好き!」を信じよう!
最後に、一番大切なことです。来年挑戦する曲は、クラシックでも、今流行りのアニメソングでも、何でも構いません。あなたが「この曲が大好き!この曲の良さをみんなに伝えたい!」と心から思える曲を選んでください。その気持ちこそが、最高の表現力を生み出すパワーになります。
🌱まとめ:ジャンルより「どう弾くか」「何を伝えるか」
エレクトーンフェスティバルは、ただの「技術の競争」ではありません。
音楽でどんな世界を作るか、どんな気持ちを届けたいかを大切にする場です。
あなたの音楽の好きをあきらめず、
来年は「これがわたしの音楽だ!」と自信を持って言えるような曲を選んでみてください。
✋最後に:先生と一緒に方向性を話し合おう
- 「どうすればもっと個性が出せるか?」
- 「どんな曲がわたしに合ってると思いますか?」
など、先生との対話を通して、自分らしい演奏を見つけていくのがいちばんの近道です。一番分かってくれているのは、担当の先生です。今年の演奏のどこが良くて、どこが足りなかったのかを具体的に聞いてみましょう。「来年はどんな曲に挑戦したら、私の良さが出せると思いますか?」と相談してみるのが、一番の近道です。
選ばれなかったことは、決してあなたの努力や才能が否定されたわけではありません。それは、「来年はもっとこうすれば良くなるよ」という、次へのステップアップのための大切なヒントをもらえたんだと私は思っています。来年に向けてまた一緒に頑張りましょう。